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図61 腋窩動脈の腕神経叢貫通部位(右前面716例中,千葉1984a, 1988)

腋窩動脈は、多くの場合、腕神経叢のC7とC8の間を通過します(C7-8型、正常型)。しかし、腋窩動脈は正常型より上位(C6-7、C7二分型)または下位の節間(C8二分、Ti二分、8-1、C型)を通ることもあり、後者のケースは前者の倍以上出現します(表74参照)。C型腕神経叢(AdachiのC型)では、腹側の神経(Mc、M、U)が集束した状態(右)と分離した状態(左)が区別できます。正中神経ワナ(AdachiのA型またはB型)は形成されますが、これより近位で神経叢がC型に集束する場合もあります(A-C、B-C型)。これらの共存的2型は被膜を除去すると、C7間、C8間を貫くいずれかの型に帰属されます(矢印は、神経叢の被膜を除去した後の所属を示します)。 C5-Th1: 第5頚神経-第1胸神経の前枝、A:腋窩動脈、Ax:腋窩神経、M:正中神経、Me:筋皮神経、R:橈骨神経、Ti:下神経幹、U:尺骨神経

表74 腋窩動脈の腕神経叢通過部位