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目次(VI. 感覚器)

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基本構造と位置

光学的特性

構造的特徴

栄養と代謝

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図605(右眼球の断面図)

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図637(異なる年齢のヒトの水晶体を側面から見た図)

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図638(ヒトの水晶体赤道部における水晶体線維)、639(家兎の水晶体縁を通る経線方向の断面)

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図640(成人の水晶体の赤道面における断面図)

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図641(胎児および新生児の水晶体線維の走行と水晶体星の配列を示す模型図:後面)、642(前面)、643(側面)

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図645(成人の水晶体小帯)

水晶体は丸い輪郭で、両面凸のレンズの形をしている。水晶体には弯曲の弱い前面Facies anterior lentis、弯曲の強い後面Facies posterior lentis、水晶体赤道Aequator lentisのほか、前極Polus anterior lentisと後極Polus posterior lentisがある。両極を結ぶ線が水晶体軸Axis lentisである。

水晶体軸は4mm、赤道面の直径は9~10mmである。前面の曲率半径は8.3~10mm、後面は6.5mmである。近くを見るために調節すると、水晶体の厚さが増し、特に前面の弯曲が強くなる。両面の弯曲は正確な球面ではなく、前面は楕円、後面は放物線に近い。成人の水晶体の平均重量は約0.22gである。

屈折率は1.44~1.45で、複屈折性を示す。子供の水晶体は成人より弯曲が強く、老人では平たくなる(図637(異なる年齢のヒトの水晶体を側面から見た図))。

水晶体は虹彩と硝子体の間にあり、前面中央部が瞳孔に面している。中央部に続く部分では、水晶体前面が虹彩の小虹彩輪と接するが、前面辺縁部は虹彩から離れ、虹彩および毛様体とともに後眼房Camera oculi posteriorを囲んでいる(図605(右眼球の断面図) )。

水晶体の後面は硝子体前面の硝子体窩Fossa hyaloideaというくぼみにはまっている。水晶体辺縁部は繊細な水晶体小帯Apparatus suspensorius lentisによって毛様体に固定されている。毛様体の大突起は水晶体の縁まで達していない(図605(右眼球の断面図)図617(水晶体の固定状態を前方から示す図)図645(成人の水晶体小帯) )。

水晶体には血管神経もない。