[図467] 橋の横断面V
(高さについては図459(延髄、橋、および中脳の各横断面の位置を示す図)を参照)。
滑車神経核と結合腕交叉が観察される。有髄神経線維は黒色、神経細胞は赤色で表示。
この断面は下丘を通り、中脳水道を横断している。滑車神経下行部は図466に示した位置よりさらに腹方に移動している。そして中脳水道を回って腹方に走り、最終的に滑車神経核Nucleus originis nervi IVに達する(図467(橋の横断面V) )。この核は正中線のすぐ近くに位置し、内側縦束に囲まれている。レンズ状の下丘核Nucleus colliculi caudalisが図467(橋の横断面V) で明確に観察できる。
両側の結合腕は滑車神経と同様に中脳水道を回って腹方に走り、結合腕交叉に達する。この交叉は上方に行くほど顕著になる。外側毛帯Lemniscus lateralisと視蓋脊髄路Tractus tectospinalisは下丘内に到達する。視床オリーブ路Tractus thalamoolivarisと内側毛帯Lemniscus medialisは前の断面とほぼ同じ位置を維持している。一方、赤核脊髄路Tractus rubrospinalisは内側に移動している。
橋底部では横走線維群が減少し、縦走線維束が側方および腹方で密集して配列している。