RK402(胸骨の関節結合)、403(第8肋骨と第7・第8胸椎との関節結合)
第1~第7肋骨の結合は、軟骨結合と関節の両方から成る。
関節面は第1~第7肋軟骨の前端と胸骨の肋骨切痕である。後者は、しばしば厚い硝子軟骨層で覆われている。関節包の役割を果たすのは、肋軟骨から起こり胸骨の骨膜へと移行する軟骨膜である(Fick)。
裂隙状の狭い関節腔は主に第2〜第5肋骨の胸肋関節Articuli sternocostalesにのみ存在する。これは、第1肋骨の軟骨がほぼ常に**[第1肋骨の]胸肋軟骨結合**Synchondrosis sternocostalis costae primaeによって、また第6および第7肋骨が多くの場合軟骨結合によって、直接胸骨と結合しているためである。
特殊構造として関節内胸肋靱帯Lig. sternocostale intraarticulare(RK402(胸骨の関節結合)、403(第8肋骨と第7・第8胸椎との関節結合)、RK408(鎖骨・胸骨・第1肋骨間の靱帯:前面) )が挙げられる。
この靱帯は線維軟骨板として、第2胸肋関節にはほぼ常に、第3胸肋関節には約20%、第4胸肋関節には約10%の頻度で存在し、他の関節にはより稀に見られる。また、補強靱帯として放線状胸肋靱帯Ligg. sternocostalis radiataがある。これは軟骨端から胸骨の前面へ放射状に広がり、その深層および表層の線維が対側のものと交差し編み合って、胸骨膜Membrana sterniを形成する。
この構造を前胸骨膜Membrana sterni ventralisと呼び、胸骨後面に同様に形成される後胸骨膜Membrana sterni dorsalisと区別する。
第6〜第7肋骨の軟骨からは、これに相当する構造として肋剣靱帯Ligamenta costoensiformiaと呼ばれる補強靱帯が、剣状突起に向かって内側下方へ伸びている。