前距骨関節(vorderes Sprunggelenk)とも呼ばれ、距骨・踵骨・舟状骨によって形成される。
関節面は軟骨で覆われた骨面だけでなく、踵舟靱帯(Lig. calcaneonaviculare)の表面も関節面の一部をなす。この靱帯は距骨頭の下方を走り、これを下から支える。骨の関節面は以下の通りである: ・距骨の遠位および中踵骨関節面(Facies articularis calcanearis distalis, media)は、踵骨の対応する面(遠位および中距骨関節面)と結合する。 ・距骨頭の関節面は、舟状骨の近位面の対応するくぼみの中で滑る。 ・軟骨で覆われた踵舟靱帯の関節面も加わる。 距骨と踵骨の遠位および中関節面は、高度に合一していることもあれば、わずかに合一していることもあり、また完全に分離していることもある。
関節包はほぼ全域で関節面の軟骨縁のすぐ際から起始する。ただし、踵舟靱帯の内面には関節包がない。
関節腔は多くの場合、単一の腔所を形成する。しかし、距骨と踵骨の遠位関節面と中関節面が完全に分離している場合、距骨と踵骨の中関節面間の関節腔が、独立した関節包によって完全に閉ざされることがある。
特別な構造として、複数の補強靱帯がある。
RK461(距腿関節と距踵関節の関節腔(模型図))、462(足関節の関節腔(模型図))
この関節面は時に石灰化し、稀に骨化することもある(RK464(**足関節:**足底側からの図) )。
踵舟靱帯の機能は距骨頭を下から支持することにある。この靱帯が緩むと、距骨頭が底側へ押し下げられ、足のアーチが平坦化して、いわゆる扁平足(Plattfuß)となる。
二分靱帯の踵舟部(Pars calcaneonavicularis lig. bipartiti):二分靱帯(Lig. bipartitum)はSchlüsselband des Chopartschen Gelenkes(ショパール関節の鍵靱帯の意)とも呼ばれ、Y字形またはV字形の靱帯である。外科学的に重要だが、詳細はショパール関節の項を参照されたい。
この靱帯は踵骨の遠位背側縁、すなわち遠位距骨関節面と立方骨関節面の間の稜から起始し、2つの束に分かれる。外側の線維束は二分靱帯の踵立方部(Pars calcaneocuboidea lig. bipartiti)と呼ばれ、立方骨の背側面に至る。内側の線維束が二分靱帯の踵舟部で、舟状骨の近位背外側角に付着する(RK460(足関節:外側からの図) 、RK463(**足関節:**足背側から見た図) )。