https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html

目次(II. 筋系)

筋系の図譜

funalogo.gif


基本構造と形態

神経支配と機能

解剖学的変異

482.png

RK482(背筋群(第1層))

483.png

RK483(背筋群(第2層、第3層))

500.png

RK500(胸部および腹部の筋 側面図 I)

501.png

RK501(胸部および腹部の筋 側面図 II)

広背筋は比較的薄く、直角三角形の形状で背部下部を覆う。上部は僧帽筋に覆われ、下部5~7胸椎の棘突起、腰背筋膜、腸骨稜後部、および下部3~4肋骨から起始する。筋線維は横方向および外側上方に向かって走行し、肩甲骨下角を越えて上腕骨へと至る。その後、扁平な腱となって大円筋の前方を回り、小結節稜に付着する。

上部筋束は横方向に走行し、下方の筋束になるほど斜め上方への傾斜を増す。特に肋骨起始の外側筋束が最も強い傾斜を示す。肩甲骨下端を越える部分では、広背筋膜が棘下筋膜と結合し、筋の上縁はわずかにS字状の弯曲を呈する。肋骨起始部は外腹斜筋下部の鋸状部と噛み合う。

筋上部の横走部は肩甲骨下角を越えて走行し、この部分には肩甲骨に起始する筋束がしばしば見られる(これを肩甲骨部 Portio scapularis という)。

外腹斜筋後縁、広背筋前縁、および腸骨稜の間には、しばしば筋質を欠く三角形の部分が存在し、内腹斜筋がその底をなす。この三角形部分は腰三角 Trigonum lumbale と呼ばれる(腰三角 Trigonum lumbale, Lendendreieck 参照)。

**神経支配:**胸背神経

**脊髄節との関係:**C. VI、VII、VIII

**作用:**挙上した腕を下方に引き、垂下した腕を背方および内側方に引く。上方の筋線維は肩甲骨を胸郭に圧迫する。肋骨起始部は、腕を固定した状態では肋骨挙上の補助筋として機能する。