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RK506(頚筋と舌骨上筋 I)

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RK512(頚筋膜)

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RK513(**頭部の筋(**I))

広頚筋は薄い平たい皮膚筋である。森田は日本人129体の広頚筋を観察し、I型(12.4%)からVIII型(1.8%)まで8つに分類した(森田信:解剖学雑誌 21巻,755~760,1943)。この筋は顔面から始まり、下顎骨の縁を越えて頚部に向かい、皮下組織のすぐ下を第2あるいは第3肋骨まで延びている。したがって、この筋によって頭部と頚部を区別できる。頚部では、下顎骨の縁から線維が下方に分散し、鎖骨を越えて第2肋骨付近まで延び、そこで皮膚に固着する。最も内側の線維はオトガイ部で鋭角をなして交差する。中頚部(Regio colli media)はこの筋に覆われていない。線維束は背方では肩部に達する。

―広頚筋の顔面部については頭部の筋の項、第1群:広頚筋から分化したもの Platysma-Differenzierungen410頁を参照せよ。

**神経支配:**顔面神経による。

**変異:**この筋は全部または一部が欠如することがある。部分的な欠如の場合、筋の下部を欠いている(Gegenbaur, Chudzindsky, Bluntschli)。両側の線維束の交差はオトガイ部よりも上方や下方に位置することもある。より深層にある第2の筋層がみられることは稀であり、そのような深層線維は本来縦方向に走り、耳介あるいは耳下腺咬筋部と連絡している。

広頚筋は哺乳類でより広く発達している皮膚筋の遺残であり、皮膚の運動に関与する。この皮膚筋は肉性被層(Panniculus carnosus)と呼ばれる。このため、広頚筋が少数の筋束をもって通常の範囲を超えて延びている場合がある。例えば、頬骨弓、僧帽筋の停止部、あるいは第4肋骨にまで広がることがある。肉性被層に由来する過剰筋の発現形態とその機能は非常に多様で広範囲に及ぶ。

Bluntschli, H., Morph. Jhrb., 40. Bd., 1909.

――G. Ruge, 同上, 41. Bd., 1910, 43. Bd., 1911.