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片山正輝

目次(V. 神経系)

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これは2本あり、1つは菱形筋への肩甲背神経N. dorsalis scapulae、もう1つは外側鋸筋への長胸神経N. thoracicus longusである。

a) 肩甲背神経 N. dorsalis scapulae

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図536(頚部の神経と血管(深層))

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図540(右肩甲部の神経(後方から見た図))

肩甲背神経は腕神経叢の背方の層に属し、CVから分枝して出る。直ちに中斜角筋を貫き、後斜角筋と肩甲挙筋の間を走り、大・小菱形筋に達してこれらを支配する。肩甲挙筋にも1枝を送る。しばしば外側鋸筋の第1尖頭がこれから1本の細い枝を受ける。肩甲背神経はその経路の一部で、頚横動脈の下行枝と伴行する。

b) 長胸神経 N. thoracicus longus

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図536(頚部の神経と血管(深層))

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図537(腕神経叢)

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図541(右腋窩の神経)

通常はCVとCVIから形成される(CVIIからの細い1枝が加わることがある)。この神経はおよそ腋窩線 Linea axillaris の方向に進み、外側鋸筋の諸尖頭に分布して終わる。

日本人では、この神経が多くはCVIとCVIIから生じ、さらにまれにCVからの1小枝が加わることがある(Hirosawa 1931)。