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浅縦舌筋M. longitudinalis superficialis:この筋の線維束は粘膜の近くを舌尖から舌骨付近まで縦走している。舌骨近傍ではその層全体が薄くなる。
この筋は舌骨舌筋およびオトガイ舌筋の上行する筋束によって貫かれている(図082(頭部顔面の矢状断(上方3個の頚椎を含む))、図084(顔面頭蓋、咽頭、喉頭の正中面やや外側での矢状断))。
深縦舌筋M. longitudinalis profundus:平坦で比較的長い特殊な筋束であり、オトガイ舌筋と舌骨舌筋の間に位置し、舌根から舌尖まで伸びている。前方では茎突舌筋の線維束と連結している(図076(舌および咽頭の筋(I))、図078(舌尖を上方に挙げ、舌下面と口腔底を観察))。
横舌筋M. transversus linguae(図082(頭部顔面の矢状断(上方3個の頚椎を含む))):浅深両縦舌筋の間を占め、横走する多数の筋束から成る強力な系統である。その大部分が堅固な結合組織性の舌中隔Septum linguaeから発し、舌縁と舌背の粘膜に達している。
この筋束および筋束群はオトガイ舌筋の筋板と直角に交差し、側縁付近では舌骨舌筋の束が横舌筋を貫通している。舌根近くでは横走する筋束が舌縁から離れ、一部は(舌口蓋筋として)軟口蓋へ、一部は(頭咽頭筋の舌咽頭部として)咽頭壁へ至る(図076(舌および咽頭の筋(I)))。横舌筋の一部の筋束は舌中隔によって中断されず、正中線を越えて対側に入り込む。この現象は特に舌尖において顕著である。
舌の動脈は主に舌動脈に由来する。ただし、顔面動脈および上行咽頭動脈からも細枝が供給される。静脈はこれらの動脈に対応する静脈へ還流する。舌の運動を司る神経は舌下神経である。
[図76]**舌および咽頭の筋(I):**左側面図(5/6)
*舌咽部(翼状咽頭筋の一部)
[図77]舌と咽頭の筋肉(II):前下方からの視点(5/6)