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片山正輝

目次(V. 神経系)

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(図413(小脳内部の灰白質の諸核) )

  1. 歯状核(Nucleus dentatus, Kleinhirnolive)は各小脳半球の髄体の内側前方部に位置し、やや長めで圧平された円形構造物です。その表面は波状に曲がり、内側が開いています。この開口部を歯状核門(Hilus nuclei dentati)と呼びます。

    歯状核を構成する灰白質の板の厚さは0.6mmです。その最長径は斜め前方に傾き、前端は鈎状に曲がっています。下内側面は室頂核のすぐ近くに位置します。この核の周囲を包む髄質、すなわち羊皮部(Vliesregion)は、同心円状に重なった弓状の線維層として分離できます。一方、歯状核に取り囲まれる髄質部分は髄質核(Markkern)を形成しています。

  2. 室頂核(Nucleus fastigii, Dachkern)は第四脳室蓋内に位置し、脳室上皮の上方、小脳の髄体内にあります。

    これは扁平な楕円体に似た形状で、正中面近くまで達しています。白質内では半透明で黄色がかった条として観察されます。長さは9〜10mm、幅は5〜6mm、厚さは3mmです。後端は通常、複数の尖端で終わっています。

  3. 栓状核(Nucleus emboliformis, Pfropfkern)は歯状核のすぐ内側に位置し、歯状核の上内側端と細い線条部でつながっています。

    その底部は前方に、尖端は後方に向いています。栓状核の長さは13〜18mm、最も厚い部分は3〜4mmです。

  4. 球状核(Nuclei globiformes, Kugelkerne)は室頂核の外側面に接し、また栓状核の内側下部に隣接して存在します。

    その長さは12〜14mm、最大幅はおよそ4mm、最も厚い部分は約6mmです。

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[図415]小脳脚および脳幹の一部の伝導路を線維解離法で示したもの。(Büttner, Z. Anat. Entw. 1927より)

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[図416] 側脳室(Pars lateralis ventriculi telencephali)と第三脳室脈絡組織(Tela chorioidea ventriculi III)

両側の脳弓柱を室間孔で切断し、左右の脳弓体(Corpus fornicis)を後方に折り返している。