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目次(III. 脈管系)脈管系の図譜

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基本構造

解剖学的特徴

主な変異

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RK600(主要脈管系の分布概観図)

肝静脈は下大静脈が肝臓の右縦裂に埋まっている部分で斜めに入り、通常3本存在する。これらは完全に肝臓実質に囲まれ、指の太さほどの太い幹として肝臓の付着部で集まって出る(RK600(主要脈管系の分布概観図))。

これらの太い静脈の他に、より細い肝静脈も存在し、同様に大静脈に流入する。肝静脈は門脈Pfortaderと肝動脈によって肝臓に導かれた血液を受け取る。左側の太い肝静脈は大静脈に開口する直前に静脈管索と連結しており、これは(Böttcher, Z. Anat. Entw., 68. Bd., 1923によると)年齢とともに徐々に退化する。

**変異:**下大静脈が下部で大動脈の左側に位置し、左腎静脈を受け取った後に大動脈の上を越えて、初めて本来の位置に達することがある。胸部と腹部の内臓が逆位の場合のみ、下大静脈は心臓に達するまで左側を通る。

より一般的な変異として、左右の総腸骨静脈が正常の高さで合流せず、それぞれ分かれたまま大動脈の両側を上行し、各側の腎静脈と連結する。このようにして形成された左側の幹が大動脈の前を越えて右側の幹と合流し、腹腔上部で初めて下大静脈となる。

また、下大静脈が右心房に直接開口せず、右縦胸静脈に開口する場合があり、その際は右縦胸静脈が著しく拡張する。このような場合、腹部内臓の血液を除く体全体の血液が、上大静脈を介して右心房に達する。

肝臓は上方に持ち上げられ、その内臓面が明瞭に観察できる。