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目次(VI. 感覚器)

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鼓膜張筋

アブミ骨筋

α)鼓膜張筋M. tensor tympani

この筋は鼓膜張筋半管のなかにあり、この管の外口の手前で側頭骨錐体から起こるほか、蝶形骨大翼の隣接部分および耳管軟骨の上壁からも起始する。筋は円柱状の腱に移行し、この腱がサジ状突起で筋腱の方向に対して直角に曲がり、鼓室内を横方向に走ってツチ骨柄の付け根の内方縁に付着する(図666(左側聴覚器の概観図)図676(左側鼓膜の内面、ツチ骨およびキヌタ骨) )。

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図666(左側聴覚器の概観図)

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図676(左側鼓膜の内面、ツチ骨およびキヌタ骨)

鼓膜張筋は内側翼突筋神経N. pterygoideus medialis(三叉神経第3枝)から分岐する1枝によって支配され、この枝には耳神経節から1本の細い神経糸が入っている。

β)アブミ骨筋M. stapedius

これは錐体隆起内にある筋で、毛状に細い腱となって鼓室内を通り、アブミ骨小頭の関節面縁のすぐ下方に付着する。

アブミ骨筋の運動を支配する神経は顔面神経の1枝で、顔面神経管から続く特別な孔を通って錐体隆起の底に入り、この筋に達する。

アブミ骨筋の腱内に時折針状の骨が見つかることがあるが、動物ではこれが常在するものが少なくない。