母指の手根中手関節(RK430(右手掌側の靱帯)RK431(右手背側の靱帯)RK432(左手の関節))は大多角骨と第1中手骨で構成される。

両骨の関節面はともに鞍状面を呈する。

大多角骨の関節面は背掌方向に凸、橈尺方向に凹の弯曲を示す。第1中手骨では、この凹凸関係が逆転している。

関節包は広くて柔軟だが、堅牢な構造を持つ。背側部は掌側部よりも強く発達している。

関節包は軟骨縁にほぼ密接して付着するが、中手骨の尺側部では軟骨縁から若干離れた位置(約4mm、Fick)に付着する。

関節腔は完全に閉鎖されており、他のいかなる関節とも連絡していない。

第1手根中手関節の力学:この関節は人体で最も完全な鞍関節Sattelgelenkである。しかし、その関節包が広くて強靭であるため、可動範囲の観点からは球関節と見なすことができる。