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基本構造と機能
特殊な腱の種類
形態的分類
腱は、その組成から見れば筋肉とは全く異なり、単に筋の活動を伝える器官に過ぎない。しかし、腱は筋肉と形態的・機能的に一体を形成しているため、両者が合わさって1つの筋を形づくり、「筋」と呼ばれている。腱はほぼ全てが強固な平行線維性の結合組織である。わずかな伸展性しか持たないが、この特性が筋の作用を骨格のてこの系統に伝え、生体が筋の作用を最も効果的に利用することを可能にしている。
一方、いくつかの筋(横紋筋も平滑筋も)には弾性の付着腱elastische Insertionssehnenがあり、全部または大部分が弾性組織からできている。例えば、顔面筋、平滑筋性の立毛筋、舌筋、恥骨臍胱筋の腱がこれに該当する。さらに、Benninghoff(Z. Zellforsch., 1929)によれば心臓静脈の初部およびこれに接する心房部の心筋線維に、Nagel(Verh. anat. Ges., 1938)によれば陰嚢の肉様膜にも見られる。
Triepel(1902)によると、腱にはわずかながら弾性があり、引き伸ばすとその長さが約4%まで増加する。Nauck(Morph. Jhrb., 1931)が確認したように、これは腱の1次線維束が波状を呈して走ることによる。この波状走向は、生体観察時や新鮮な腱の検査時に、筋の静止状態では存在するが、筋の収縮時や腱を引き伸ばす際には消失することが分かっている。
起始腱Ursprungssehnenと停止腱Ansatzsehnenがある。形状によっては、短い腱、長い腱、幅広い腱が区別され、多様な形態を示す。著しく広がりを持つ平たい腱は腱膜Aponeurosis, Aponeuroseと呼ばれる。また、1つの筋を2つ以上に区分する中間腱Zwischensehneもある(RK492(腹筋) 、腹直筋)。さらに、2点間の隙間を橋渡しする腱弓Arcus tendinei, Sehnenbögenがある。中間腱の特殊な形態の1つは、円蓋状をなす筋の中心腱であり、例えば横隔膜の腱中心、頭蓋表筋の帽状腱膜、毛様体筋の中心腱としての角膜の内境界膜がこれに該当する。