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脊髄柔膜、すなわち血管膜(Gefäßhaut)は脊髄の表面に密着しており、前正中裂内で脊髄軟膜中隔(Septum leptomeningicum spinale)を形成する。
柔膜は内層と外層の2層構造である。クモ膜下小梁は外層に連続している。外層は密に縦走する結合組織束で構成され、これらの束は内皮鞘に包まれ、さらに薄い内皮膜で覆われている。
内層(Innenlage)は毛細管性の隙間によって外層から分離された結合組織板である。この板は輪状に走る原線維束の薄層からなり、内層の内外両面には弾性線維網が存在する。さらに、内面と外面は内皮で覆われている。内膜組織には、所々に色素細胞が観察される。
柔膜の細い血管は両板の間を走り、その内板から外膜性の鞘を与えられて垂直に髄質内に入り込む。この外膜性の鞘の始まりはロート状に広がり、いわゆる柔膜漏斗(Piatrichter)を形成し、柔膜の両板間の隙間に開口している。この隙間は柔膜のリンパ腔(Lymphräume)である。
脊髄柔膜の神経は主に交感神経由来だが、後根からの脊髄神経性のものもある。これらの神経は柔膜の外層で柔膜神経叢(Plexus nervosus piae matris)を形成する。その終末器官(Endorgane)には次のようなものがある:単純な終末(einfache Endigungen)として神経原線維が円板状に広がったもの、そして終末糸球(Endknäuel)を形成するものである。後者はクラウゼ終末棍状体に酷似しているが、それぞれが形態を異にし、非典型的な終末器官に至るまで多様性に富む(Stöhr jr., Z. Zellforsch., 30. Bd., 1939)。この神経叢の成分は柔膜の細い動脈に接しており、その一部は脊髄内に入る動脈の小枝とともに、脊髄内の比較的太い中隔内に達している。