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目次(III. 脈管系)

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これまでに述べた主なリンパ路の特徴をよりよく理解するために、以下のように簡略化して考えるのが有効だろう。

体のリンパ管には2本の主幹があり、一部非対称的な配置をしている。これらは体の右半と左半に属し、総頚静脈と鎖骨下静脈の合流点で対称的に腕頭静脈へ開口する。この重要な部位、すなわちリンパが静脈系に入る箇所では、左右それぞれ4本のリンパ管の幹が合流し、右リンパ本幹左リンパ本幹(Truncus lymphaceus dexter, sinister)を形成する。具体的には:

  1. 頭部と頚部のリンパを集める総頚静脈に相当する頚リンパ本幹(Truncus jugularis)
  2. 上肢から来る鎖骨下静脈に相当する鎖骨下リンパ本幹(Truncus subclavius)
  3. 縦隔後部を上行し、胸壁後部および胸部内臓の各半分からのリンパを集め、最上肋間静脈と右縦胸静脈に相当する気管縦隔リンパ本幹(Truncus bronchomediastinalis)
  4. 胸部前壁内面を上行する乳リンパ本幹(Truncus mammarius)

下半身のリンパを集める太い共通幹が左気管支縦隔リンパ本幹の縦隔枝と合流する。この下半身からの幹は、体幹後壁、下肢、腹腔および骨盤内臓のリンパ管が合流して形成される。この大きな幹の合流により、左気管支縦隔リンパ本幹は右側に比べてはるかに太くなる。下半身と上半身が合流して形成されるリンパ管系の左側の太い主幹胸管(Ductus thoracicus)である。

つまり、対称的な原基から非対称的な終形が形成されるのだ。ただし、常にこのような二次的非対称性が生じるわけではなく、前述の通り、初期の対称的配置が残存することもある。これは多くの動物では正常な関係である。そして非対称的な終形の中にも、対称的な初期の形態がなお容易に認められる。

ここで、リンパ管の分節について考察すると、RK714(1分節におけるリンパ管:放射状に分枝した様子を示す模型図)に示すように、1本の主幹があり、そこから壁側枝と臓側枝が分岐し、前者には脊髄枝が連結している。

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RK714(1分節におけるリンパ管:放射状に分枝した様子を示す模型図)