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目次(III. 脈管系)

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心臓は2つの心房Atria cordis, Vorhöfeと2つの心室Ventriculi cordis, Kammernで構成される。心房は心臓の心房部、心室は心室部を形成する。右心房と右心室は右心rechtes Herz, Lungenherz(小循環心臓)、左心房と左心室は左心linkes Herz, Körperherz, Aortenherz(大循環心臓)と呼ばれる。右心と左心は1つの隔壁で分離されており、心房間の隔壁部分を心房中隔Septum atriorum、心室間の隔壁部分を心室中隔Septum ventriculorumという(RK623(右心房と右心室を開いたところ) )。

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RK623(右心房と右心室を開いたところ)

心房と心室を隔てる壁には穴がなく、心臓の左右両側に共通している。つまり、心臓はこの中隔によって密接に関連した左右2つの部分に分かれている。右半分は酸素に乏しい静脈血を受け取って送り出し、左半分は肺から酸素化された動脈血を受け取って送り出す。血管の分布範囲の違いと、血液を循環させるのに必要な力の差異により、これら2つの部分を囲む壁の構造と厚さに違いが生じる。両側には共通する特徴もあるが、心臓の4つの部分にはそれぞれ固有の特徴があり、これらは胎生期および出生後の機能をよく反映している。これらの特徴は顕著で、各部を容易に識別できる。また、心臓の両半は完全に対称的ではなく、構造上および位置上の重要な非対称性を多く有している。この非対称性については後述する。