下肢は平板ではなく円蓋をなす足を介して地面を踏みつけている。距骨はこの円蓋の要石ともいうべき存在で、同時に骨性の関節円板の役割も果たしている。

足の円蓋には高い母指弓(Großzehenbogen)と低い小指弓(Kleinzehenbogen)があることが容易に分かる。内側の母指弓から外側の小指弓へと弓なりに低くなっており、そのためニッシェンゲヴェルベ(Nischengewölbe、半円蓋。Nischeは壁の凹所)(Szymanowsky)の形をしている。両足の半円蓋が対称的に並べられると、完全な円蓋(Kuppelgewölbe)の形が生じる。この円蓋に、大腿骨と下腿骨を介して体重がかかるのである。

半円蓋の支持点(脚)をなすのは踵骨隆起のほか、遠位方の主要な支持点として第3中足骨の小頭、側方の支持点としてその他の中足骨が機能している。また、第5中足骨粗面も側方の支持点と見なすことができる。母指と第1中足骨は、むしろ歩行時に足を地面から離す際に役立つ。

生理学的観点から複雑な靱帯装置の働きを判断しようとする際、そしてこの円蓋が直立と歩行において様々な役割を果たすことを考慮すると、これらの靱帯は前述とは異なる方法で分類される。H. Meyerは以前に次の4つの主要な靱帯群を区別した:

  1. 指骨の横の結合と、遠位列足根骨の横の結合。
  2. 底側の縦走線維束。
  3. 背側の内側および外側の線維束。

足の円蓋は静力学的に様々な形で利用されるが、その分類は難しくない。

  1. 足底立ち(Sohlenstand):これはすでに述べた。
  2. 母指立ち(Großzehenstand):第1中足骨の小頭の上に足の円蓋を持ち上げて立つ。
  3. 小指立ち(Kleinzehenstand):外側の小頭、特に第3中足骨の上に足の円蓋を持ち上げて立つ。

これら3つの使用型は通常用いられる範囲内のものである。これに対して足円蓋の非通常的な使用型として、踵骨隆起の上にこの円蓋を持ち上げるかかと立ち(Hackenstand)、足の外側縁で立つ型、足の内側縁の突出した部分で立つ型などがある。

重要なのは、これらの型のうち次の4つが足円蓋の病的変化として、足の病理学において大きな意味を持つことである。それは踵足(Hackenfuß)、尖足または馬足(Spitz- oder Pferdefuß)、扁平足(Plattfuß)、内反足(Klumpfuß)である。

直立(Stehen)

直立とは、体の重心が一方または両方の足の下に覆われた地面、あるいは両足の間にはさまれた地面で支えられるような姿勢である。直立姿勢においては、骨格の作用によって、筋肉の使用を最小限に抑えた状態で体が支えられる。

最も安定した直立姿勢は、全身の重心(仙骨管の上部)から下がる重力線が両足の主支持点の間のほぼ中央を通るときである。これは両側の下肢軸を水平面に対して83〜84°の角度で後下方へ傾ける場合にのみ可能である。このとき全身の重力線は股関節軸(Hüftachse)の5cm後方、踝軸(Knöchelachse)の3cm前方を通る。下肢の安定は距骨が脛骨踝と腓骨踝によって作られる二叉の間に固定されることと、膝関節が固定することによってもたらされる。

その後、次のような見解が正しいとされるに至った。直立時に膝関節が固定され、膝の曲がりが防止されているのは、特別な機構によるのではなく、体重の作用だけで十分その目的を達成しているという。すなわち重力線が膝の屈曲軸の前に落ちるやいなや、重力は膝を屈曲させずに、それを伸展させるようにのみ働くのである(Haycraft, R. du Bois Reymond)。