https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html

目次(I.骨格系)

funalogo.gif


基本構造と開始

発生過程

ハヴァース管と構造発達

168-169.png

RK168(**軟骨外および軟骨内骨発生:**中節骨)、169(基節骨)

170.png

RK170(軟骨外および軟骨内骨発生)

171.png

RK171(骨膜性骨沈着における同心性構造(切線状突起と放射状突起の模式図))

軟骨外および骨膜性の骨発生では、骨芽細胞が活動を始める前に、将来の骨に似た形の器官がすでに準備されている。この器官が骨芽細胞の足場となる。同様のことが軟骨内骨発生にも当てはまる。この場合、骨の発生は既存の軟骨内部で起こるため、その軟骨の形状に影響される。ここでは、将来の管状骨の前駆体として形成される軟骨に注目し、骨発生の過程を詳しく見ていこう。

管状骨における軟骨外骨発生の開始点は、骨折のリスクを最小限に抑える上で極めて重要な位置にある。その場所はRK168(**軟骨外および軟骨内骨発生:**中節骨)、169(基節骨) で確認できる。ここでは、軟骨膜によって骨の中央部を形成する若い管状部分が、すでに指輪状に作られている。この骨鞘とも呼べる構造が骨の中央を包み、補強し、支柱の役割を果たすことで、軟骨への負荷を徐々に軽減していく。

上記の部位で、軟骨膜が軟骨表面に骨芽細胞によって新しい骨質を形成し始める前に、軟骨自体に変化が生じる。具体的には、軟骨の原基に石灰塩類が沈着し、軟骨内に石灰化点(Verkalkungspunkt)が形成される。これに続いて骨化した鞘が作られ、徐々に長さを増す一方で、石灰化も進行していく。

この薄い骨鞘は、結合組織内骨発生で述べたのと同じ方法で、早期から厚みを増していく。まず、柱状や板状の突起が放射状に伸び、一定の高さに達して支持構造となる。次に、接線方向、つまり同心円状に柱状や板状の突起が順次形成され、隣接する放射状突起と連結する。これら2方向の突起によって、大小様々な空隙が形成される。この過程が繰り返され、骨の原基は厚みと太さを増していく。この成長は管全体で均一に進行することもあれば、一部に偏ったり、対向する2箇所で見られたりすることもある。

ところで、形成された小腔は重要な意義を持つ。

この小腔内には軟骨膜性の組織が存在し、骨芽細胞と栄養を司る血管を伴っている。この小腔こそが、先に述べたハヴァース管の初期形態である。RK163(頭頂骨の原基(胎生12週)) で示した頭頂骨原基の小梁間の空隙もこれに該当する。この空隙は後に一部が板間層(Diploë)の広い空隙となるが、板間層の広い空隙自体もハヴァース管と同様に考えるべきである。RK170(軟骨外および軟骨内骨発生) はヒト胎児の前腕骨の横断面で、この基本的な骨発生過程をより明確に示している。同心性の突起によって、放射状の突起がすでに相互に連結しているのが観察できる。

163.png