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片山正輝
目次(V. 神経系)
虫部の回転(Gyri)は小脳半球の回転と連続している。下虫では虫部と半球の間に深い溝があるが、回転の連続性は明確に観察できる。
上虫は以下の部分から構成される(図408(脳の正中断面)):
- 小脳小舌(Lingula cerebelli, Züngelchen)(図422(脳幹、四丘体付近、菱形窩)):両側の結合腕の間で前髄帆上に位置し、4〜6個の低い回転から成る。小脳小舌の後部を形成する小板の外側には、左右それぞれに1つの低く細長い隆起がある。これを小脳小舌ヒモ(Vinculum lingulae cerebelli)という。
- 中心小葉(Lobulus centralis, Zentralläppchen)(図427(小脳:前下方からの視点)):前髄帆の上方に位置し、左右各側がそれぞれ中心小葉翼(Ala lobuli centralis)に連続している。
- 小山(Monticulus, Berg)(図418(第三脳室、大脳基底核と脳幹の一部、四丘体、小脳の上面)):上虫の中で最大の部分。山頂(Culmen, Gipfel)と山腹(Declive, Abhang)に区分され、これらの回転群は左右両側の四角小葉を連結している。山頂は四角小葉の前部に、山腹はその後部に相当する。
- 虫部葉(Folium vermis, Wipfelblatt)(図408(脳の正中断面)):両側の上半月小葉の内側端を連結する狭い橋状の部分で、その上下両面に横走する溝がある。
下虫は以下の部分から構成される:
- 虫部隆起(Tuber vermis, Wulst)(図426(小脳:下面からの視点)):その回転は両側の下半月小葉を連結している。
- 虫部錐体(Pyramis vermis, Pyramide)(図426(小脳:下面からの視点)):後方に強く突出した回転群を持ち、これらの回転が両側の二腹小葉を連結している。
- 虫部垂(Uvula vermis, Zäpfchen)(図426(小脳:下面からの視点)):細長い形の横走する回転群で、左右の小脳扁桃の後端部を連結している。
- 虫部小節(Nodulus, Knötchen)(図427(小脳:前下方からの視点)):密集した回転群で、モミ(杉)の実に似た形状を呈し、後髄帆と片葉柄を介して左右の片葉を連結している。