https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
これは血管も神経もない柔軟な膜である。その外面は平滑で内皮に覆われ、硬膜に接している。内面も内皮に覆われており、多数のクモ膜下小梁および小膜によって柔膜と癒着している。クモ膜と柔膜の間には軟膜腔(Cavum leptomeningicum, Subarachnoidalraum)があり、これはかなり広く、相当量の液体、すなわち脳脊髄液(Liquor cerebrospinalis)を含んでいる。一方、硬膜下腔は毛細管性の間隙にすぎない。
軟膜腔の液体(60~200g)は脳の多くの大きな軟膜腔と連続し、さらに脳内部の脳室を満たす液体とも直接つながっている。
つまり、クモ膜は脊髄を緩く包む広い嚢であり、この嚢は外側を硬膜に支えられている。クモ膜と柔膜の間にある髄液で満たされた空間は、歯状靱帯によって仕切られ、不完全ながら前方部と後方部に分けられている。
脊髄のクモ膜は縦走する結合組織線維束の薄い層からなる。これらの線維束は所々に狭い隙間を残し、これらの隙間は内皮細胞で覆われている。軟膜腔の小梁はすべて内皮細胞を持つ。クモ膜と柔膜を合わせて軟膜(Leptomeninx)という。