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目次(I.骨格系)

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骨形成の基本過程

骨形成のメカニズム

骨の成長過程

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RK164(結合組織内骨発生)

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RK166(ヒト歯槽壁の骨芽細胞)、167(結合組織内骨発生)

(RK164(結合組織内骨発生) RK166(ヒト歯槽壁の骨芽細胞)、167(結合組織内骨発生))

骨の形成源は結合組織である。個々の結合組織線維間の接合質(Kittsubstanz)が石灰化する(RK164(結合組織内骨発生) RK166(ヒト歯槽壁の骨芽細胞)、167(結合組織内骨発生))。結合組織線維に接する若い結合組織細胞が骨形成の役割を担い,骨芽細胞となる。初期段階では,若い骨原基,すなわち骨核(Knochenkern,別名Ossifikationskern)が小さいため,骨芽細胞の数も少ない。しかし,骨原基が表面を広げ,厚みを増すにつれて,骨芽細胞は著しく増殖し,互いに隣接して上皮様に配列するようになる。

原線維,原線維間質,およびその石灰化における骨芽細胞の関与については,諸説紛々として定まっていない(Hintzsche, Ergeb. Anat., 27. Bd., 1972)。比較的古い説によると,個々の骨芽細胞またはその集団が,その細胞質から物質を分泌し,この物質が徐々に広がって各骨芽細胞を完全に包み込み,骨芽細胞同士の直接的な連結を断つとされる。しかし,この物質が分泌されると同時に,細胞質はこの物質中に細い突起を伸ばすため,骨芽細胞間の連絡は(一時的ではあるが)保たれ,分泌された物質は細管で貫かれることになる。分泌物質は直ちに骨原線維の形成を始めるとともに,石灰塩類を取り込んでいく。その結果,一部の骨芽細胞は,いわば棺桶の中に閉じ込められたような状態となる。この点についてはRK166(ヒト歯槽壁の骨芽細胞)、167(結合組織内骨発生) を参照されたい。図では2つの骨芽細胞が,すでにほぼ完全に骨組織中に埋没している。

一方、v. Korff(Merkei und Bonnet, Ergeb. Anat., 17. Bd., 1907)は、結合組織骨の発生における結合組織細胞と骨芽細胞の働きについて、異なる見解を示している。彼によれば、骨小梁の最初の原基は結合組織原線維からなり、この原線維はおそらく周囲の結合組織細胞から形成され、原線維の形態をとった後も分裂によってさらに増殖する(骨発生の第1期)。骨発生の第2期では、原線維間に均質な原線維間物質が現れ、原線維はその中に埋没して見えなくなる。この物質は、原線維に接する細胞から産生されると考えられる。このとき、上述の細胞はすでに骨芽細胞となっており、その性質が変化し、原線維の形成を止めて代謝調節を行うようになる。v. Korffによれば、石灰塩類は一連の化学変化に従って原線維間質に沈着するのであり、SpulerおよびStudnickaの主張する骨芽細胞の直接的な働きによるものではないとされる。Mollier(Sitzber. Ges. Morph. Phys., München, 1910)も、弟子のHartmannの標本を根拠に、基本的にはこれと一致する説を提唱している。一方、Häggquistは異なる見解を示し、骨芽細胞が集合してOsteoblastemという合胞体を形成し、この合胞体内部に骨基質と石灰塩類が沈着すると主張している。

若い骨原基の平面的成長は、枝分かれしながら放射状に伸び、あらゆる方向に広がっていく。この過程で、次々と新しい領域が最初の部分と同じ過程を経て骨化に巻き込まれていく。原基の全体的な形状は形成される骨の種類によってある程度異なる。RK163(頭頂骨の原基(胎生12週)) は12週胎児の頭頂骨原基を水平断面で示している。

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RK163(頭頂骨の原基(胎生12週))