https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
外側皮枝は肋間隙のほぼ中央で肋間神経から分岐し、前腋窩線と前正中線の中間で外肋間筋を貫く。下部の枝は外腹斜筋を貫いて皮下に出る。第1から第7までの外側皮枝は外側鋸筋の尖端間から、第8~第12の外側皮枝は肋骨に停止する広背筋の尖端前方から現れる。Th XIIの外側皮枝は外腹斜筋を貫く。
これらの外側皮枝は全て広背筋の肋骨尖端付近で2枝に分かれ、皮下で互いに反対方向に広がる。太い前枝Rami ventralesは前方へ、後枝Rami dorsalesは後方へ進む。Th IIの外側皮枝の後枝は前述の肋間上腕神経N. intercostobrachialisである(図237(右腎臓および腎上体の前面と他器官との接触面)、238(左腎臓および腎上体の前面と他器官との接触面))。この神経は時にTh IまたはTh IIIから出ることがある。日本人ではTh IIから出るのが男性で96.5%、女性で94.7%である(Hirosawa 1931)。
ThII~Th VIの前枝は大胸筋の縁を回って内側に走り、乳頭までの皮膚に分布する。第4から第6までの前枝からは外側乳腺枝Rami mammarii lateralesが乳腺に達する。Th VII~Th XIの前枝は腹直筋のおよそ外側縁までの腹壁皮膚に分布する。さらに、Th XIIの前枝は1枝を腸骨稜を越えて中殿筋を覆う皮膚に送る。この枝は時に大転子付近まで追跡できる。