https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
基本構造
内側脚の特徴
解剖学的変異
外側脚の特徴
内側と外側の2脚からなる。
内側脚Crus mediale(日本人胎児100体について横隔膜の食道孔と大動脈裂孔との位置関係、中間脚と内側脚との関係などの詳細な報告がある[櫛田忠義:解剖学雑誌、18巻、85~102、1941])は第1~第4腰椎体(右側は通常第4腰椎体に、左側は第3腰椎体に達する)から起こり、脊柱の前縦靱帯と密に結合している。上方に走り第1腰椎の始まりで対側の同名筋と合流し、腱性の束で境された大動脈アーチ、すなわち大動脈裂孔Hiatus aorticus, Aortenschlitzを形成する。ここを下行大動脈が通過する。
大動脈裂孔を越えたところで両側の内側脚が交叉し、やがて離れて筋肉性に縁取られた第2の孔、食道孔Foramen oesophagicumを囲む。ここを食道が通過する。その後、内側脚は腱中心へと移行する。
中間脚Crus intermediumは内側脚の一部で、大内臓神経によって境された外側の部分である。
Stadtmüller(Anat. Anz., 62. Bd., 1926/27)の研究によると、30例中5例のみで両内側脚が大動脈裂孔を越えたところで交叉していた。残りの25例では、食道孔は右の内側脚のみから形成されていた。食道孔の位置に関しては、大動脈裂孔よりも左側にあるものが57.5%、右側にあるものが18.4%、同じ矢状面上にあるものが24.1%であった(Heidsieck, Anat. Anz., 66. Bd., 1928)。