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脳脊髄神経は主としてシュワン鞘 Schwannsche Scheideをもった有髄性の線維からなり、反射光のなかで白く見える。この有髄神経線維には、散在した状態または小さい束にまとめられた無髄神経線維が混在している。脳脊髄神経の束は豊富な結合組織によって包まれ、かつ貫かれており、この結合組織は特殊な配列をしている。神経根では結合組織は初めは柔膜の続きとしてわずかに存在するのみだが、神経根が外に出るにつれて徐々に豊富になり、そこでクモ膜鞘と硬膜鞘がそれぞれの髄膜の続きとしてこれらの神経根を包み接着している。
これらの神経は初めは脊髄および脳と同じ被膜をもつが、脊髄神経節の前でこれら3つの鞘が互いに豊富なつながりを形成して合する。硬膜は次第に疎になり、脂肪組織を含んで、外方へも内方へも境界が不明瞭になる。
末梢神経における神経線維と結合組織との配列については8. 器官としての末梢神経の構造 Struktur der peripheren Nerven als Organを参照されたい。ここでは次の点だけを付け加えておく:
神経上膜と神経周膜鞘の厚さは末梢に行くほど徐々に薄くなり、やがて個々の線維束は結合状態から離れていく。この時、個々の線維束は多くの場合ただ1つの神経周膜鞘をもつ。小さい神経幹から個別に分岐する神経線維Nervenfasernは、なお神経周膜板の薄い内皮性の続きによって包まれている。この被膜をRanvierはヘンレ鞘Henlesche Seheideと名づけた。このヘンレ鞘とシュワン鞘との間にある狭い腔所は液体を注入できるリンパ腔Lymphraumであり、神経の他のリンパ系と直接つながっている。
末梢神経の血管Blutgefäßeである小動脈と小静脈は、神経の走行に沿って神経上膜内を進む。さらに多数の細い血管が神経周膜鞘を貫いて2次線維束の内部に入り、そこで長く延びた網目構造の美しい毛細管網に移行する。これらの小動脈には細い血管神経Gefäßnerven(Nervi nervorum「神経のもつ神経」の意)が伴っている。
神経根Nervenwurzelnは中枢に向かって脊髄に入るまでシュワン鞘をもち、脊髄内ではシュワン鞘の代わりにグリアNeurogliaが存在する。