(RK434(脊柱と骨盤右半を結ぶ靱帯:後面)、RK435(脊柱と骨盤右半を結ぶ靱帯および股関節の前面図)、RK438(股関節窩)、RK440(右股関節:前下方からの視点))
閉鎖膜は閉鎖孔 Foramen obturatum を前上方に1つのすきまを残して閉じている。このすきまは恥骨枝の寛骨臼部の閉鎖溝 Sulcus obturatorius とともに閉鎖管 Canalis obturatorius を形成している。
閉鎖膜は前方および後方では閉鎖孔を縁取る鋭い縁から、上方では閉鎖稜から、下方では坐骨の後面から起始している。線維束はさまざまな方向に交錯しているが、全体としては横走するものが優勢である。閉鎖膜の上部は閉鎖稜から起こり、閉鎖管の底部を構成している。閉鎖膜には脂肪組織で満たされた大小さまざまな穴が散在し、特に強靱な線維束も複数存在する。これらの線維束の大部分は寛骨臼切痕付近の小隆起から起始し、前方へ扇状に広がりながら次第に薄く細くなっていく。