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目次(II. 筋系)

筋系の図譜

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筋線維の基本構造

筋周膜の構造

筋内膜の機能

筋線維の組織学的な特徴はすでに体組織Körpergewebeの項で述べた。筋線維は平行して並んでまとまり、比較的長い筋では相前後して筋の長さ全体にわたる束を形成している。個々の筋線維間は疎性結合組織によって互いに連結されている。このようにして筋線維がまとまって1つの筋を形成する。

結合組織性の被膜はこの一次筋束を取り囲み、また個々の筋線維間の結合組織とも連続している。一次筋束が複数集まり、さらに太い二次、三次などの筋束にまとめられる。かなり多数の比較的太い筋線維束の集合が筋そのものであり、その筋の外面も他の組織と境界を成す結合組織の膜に包まれている。この膜は顕微鏡標本では外筋周膜Perimysium externumと呼ばれ、肉眼的標本では筋膜と呼ばれる。

筋の内部にみられる結合組織は内筋周膜Perimysium internumあるいは筋内膜Endomysiumと呼ばれる。内筋周膜は疎性結合組織の一種で、その構成要素には膠原線維、弾性線維、顆粒をもつ固定細胞、遊走細胞のほか、程度の差はあるものの一般に多数の脂肪細胞、血管、および神経が含まれる。外筋周膜はより固く、主に密に組み合った結合組織束からなる。

したがって、筋内膜は多数の筋線維を1つにまとめる接合物としての役割だけでなく、血管および神経の支持体としても機能している。さらに、これはと連続し、筋線維が腱にしっかりと固着するよう働いている(RK469(ヒトの手の虫様筋) )。

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[図469] ヒトの手の虫様筋、横断面の一部