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構造と構成
分布と数
錐状体粒の特徴
図627(ヒトの網膜色素上皮層)、628(ヒトの網膜色素上皮層の細胞)、629(杆状体と錐状体の横断面)
これは錐状体Zapfenと錐状体線維Zapfenfaserと錐状体粒Zapfenkornから構成されている。
錐状体は光を強く屈折する外節Außenglied(錐状体小棒Zapfenstäbchen)と、色が薄く柔らかな内節Innenglied(錐状体の体部Zapfenkörper)から成る。外節は円錐形で杆状体の外節より短く、視紅を持たない。内節は太さが6~7µmで、円みを帯びて膨らんでおり、杆状体の内節ほど外方には達していない。内節の外方部には錐状体の楕円体Zapfen-Ellipsoidが存在し、これはヒトでは杆状体の糸状装置と性状が類似しており、錐状体の内節の大部分を占める。錐状体の外節は積層した小円盤から構成され、角質(ケラチン)の被膜で包まれている。
ヒトの網膜では、大部分の領域において最も近接する2つの錐状体の間に3~4個の杆状体が存在する。黄斑付近では錐状体が密集するため、各錐状体が杆状体の環状配列によって囲まれる。黄斑自体では錐状体のみが存在する。ヒトの網膜における錐状体の総数は約3,360,000個で、視神経線維の数を大きく上回る。一方、杆状体は約75,000,000個と推定されている。
錐状体粒は、黄斑を除く全域で外境界膜(各錐状体細胞に対応する孔を有する)の直近に位置する。錐状体粒の核は大きく楕円形に近く、横縞を持たず、1個の核小体を含む。この粒から伸びる錐状体線維は比較的太く、繊維状の条紋を有する。この線維は放射状に内方へ走行し、微細な線維からなる円錐状の付着部で外網状層に固着する。
錐状体粒と杆状体粒は共同して外顆粒層を形成する。この層はヒトでは厚さ50~60µmであり、錐状体粒はその外方層を占める。