動脈の分枝は一般に樹枝状で、心臓に根ざす2つの主幹—大動脈と肺動脈—がその枝を空間のあらゆる方向に広げている。
植物の分枝系統に明確な規則があるように、血管の分枝の仕方も定まっており、腺の導管や神経の枝分かれにも同様の法則が適用される。大動脈とその分枝については501頁の脈管の配置の項で既に述べた。一方、肺動脈はその分枝において単一器官に分布する動脈と同じ挙動を示す。
この分枝は発生学的観点から研究できるが、完成形態を議論の出発点として選ぶこともできる。完成した大動脈はその分枝形成で最も明確に基軸性分枝(Monopodium)を示す。これは側枝を出す主幹または主軸の形態を意味する。大動脈の主幹全長にわたって基軸性分枝のみが見られ、両叉分枝(Dichotomie)は存在しない。両叉分枝とは1つの幹または枝が2つの支枝に分かれることを指す。これらの支枝の太さが不同の場合も基軸性分枝と見なされる。同じ太さの2つの支枝に分かれる場合のみを両叉分枝と定義すれば、この形態は大動脈の第2次、第3次、またはそれ以上の分枝に見られ、局所的には両叉分枝が優勢になることもある。しかし、全体的には基軸性分枝が優位を占める。1つの枝が突然多数の小枝に分かれることもあり、これは脾臓の筆毛動脈(Penicilli)や迷網(Rete mirabile)に見られる。
幹から枝が、また第1次の枝から第2次の枝が出る角度は、多くの場合鋭角である。それより稀に直角をなし、最も稀に鈍角となる。鈍角の場合には反回動脈(Aa. recurrentes、rückläufige Gefäße)が形成される。