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目次(I.骨格系)
基本構造と変異
- 成人の脊柱は通常32~35個の脊椎から構成され、環椎が先天的に後頭骨と融合することがある
- 胸骨に接続する第1対の肋骨は通常第8脊椎に所属しており、この配置が「正常」とされる
- 仙骨は通常5個の脊椎で構成され、単一または重複岬角を有することがある
変異の相関性と傾向
- 脊柱における変異は各部位間で相関関係を示し、特に胸郭下部、腰部、仙骨、尾骨において顕著である
- 統計的には約68.5%が正常な分節パターンを示し、残りの31.5%が様々な変異を呈する
発生学的考察
- 変異は個体の原基段階から存在し、生体の変異性の表現型として理解される
- 胸郭の変化は「短縮」ではなく「変形」として捉えるべきであり、脊椎の高さが代償的に増加する
- 変異の根本的な原因は未解明だが、その出現には一定の法則性が認められる
成人の脊柱は通常32~35個の脊椎からなるが、極端な場合にはさらに1~2個多いこともある。
環椎は、病的現象ではなく先天的に後頭骨と融合して頭蓋の一部をなすことがあり、これを環椎の同化(Assimilation des Atlas)という。しかし、このような場合でも軸椎は本来の特徴を保持し、環椎の形態をとることはない。軸椎が環椎に、環椎が第3頚椎になるような移行型は、少なくとも現在までのところ報告されていない。
独立した肋骨は第7~第21脊椎で観察されてきた。どの場合も、その前部の肋骨が集まり、所属の各脊椎および胸骨とともに胸郭を形成する。
胸郭の上端には、以下のようなさまざまな形態がみられる:
- 胸骨に接続する第1対の肋骨が第7脊椎に所属し、完全に独立して胸骨に達している。この状態は、現在までにアムステルダムでL. Bolkによって観察された1例のみである。
- 第7脊椎が1対の肋骨を有するが、これは胸骨に達しない。胸骨に達する第1対の肋骨は第8脊椎に属している。