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目次(III. 脈管系)

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足背動脈は、足背における前脛骨動脈の直接の延長である。長母趾伸筋と短母趾伸筋の腱の間を、前者の外側に沿って第一中足骨間隙の基部まで走り、そこで深足底枝と第1中足動脈の2終枝に分かれる。

a) 内側足根動脈(Aa. tarseae tibiales):2〜3本の小枝からなり、長母趾伸筋の腱の下を通って足の内側縁に達する。

b) 腓側足根動脈(A. tarsea fibularis):通常、距骨頭と舟状骨の高さで十字靱帯の遠位部から始まる。足根骨の上を越え、短指伸筋の下を外側かつ遠位方向に進んで立方骨に至り、その枝は足背動脈網に入る。

c) 弓状動脈(A. arcuata):足根骨の遠位端付近で発し、腓側足根動脈と同様に短指伸筋の下を外側かつ遠位方向に進む。この動脈の位置は腓側足根動脈に近い場合も離れている場合もあり、時に重複や腓側足根動脈との合流が見られる。足背動脈網(Rete dorsale pedis)の形成に寄与し、この網の遠位部から第2、第3、第4背側中足動脈が分岐する。これらの背側中足動脈は細く直線的に走行し、弓状動脈が発達している場合はそこから、そうでない場合は足背動脈網の遠位縁から始まる。外側の3つの骨間隙で骨間筋の上を通り、足指方向へ走行する。

外側の3本の背側中足動脈および内側の第1背側中足動脈は、それぞれ2本の背側指動脈(Aa. digitales dorsales)に分岐する。これらは足指の向かい合う背側縁に沿って遠位方向に走行する。

腓側第5背側指動脈(A. dorsalis digiti V. fibularis)は、腓側足根動脈または足背動脈網から分岐し、小指の背側外縁を走行する。

d) 第1背側中足動脈(A. metatarsea dorsalis I.):足背動脈の終枝の一つである。第1骨間隙を進み、母指に背側指動脈を供給し、また第2指の内側の背側指動脈を分岐する。

e) 深足底動脈(A. plantaris profunda)は、足背動脈の2つの終末枝の一つで、以下の特徴を持つ:

この動脈は足の血液供給に重要な役割を果たし、内側足底動脈や外側足底動脈と協調して足底の血流を維持する。

**変異:**脛側背側母指動脈(A. dorsalis hallucis tibialis)はRK678(足背の動脈)に示す例のように、足底から来ることがある。

f) 穿通中足動脈(A. metatarsea perforans):第1背側骨間筋の両頭間で第1骨間隙の近位部を通って足底に至り、足底動脈弓(Arcus plantaris)の形成に寄与する。

骨間隙の遠位部および近位部で、背側中足動脈が穿通枝(Rami perforantes)によって足底の動脈と連絡している。

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