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目次(VI. 感覚器)

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(図605(右眼球の断面図)図623(ヒトの角膜、虹彩、および毛様体)、624(ヒトの虹彩後面近くの層の一部)図652(ヒトの眼瞼と眼球前方部の正中矢状断面) 参照)

眼球結膜は弾性線維に富む疎な結合組織によって、強膜に柔軟に付着している。乳頭は存在しない。角膜の縁では、上皮と角膜固有質の間に1層の疎性結合組織が入り込み、この層は角膜の外境界板の始まりで終わる(図623(ヒトの角膜、虹彩、および毛様体)、624(ヒトの虹彩後面近くの層の一部) )。角膜縁のこの隆起の幅は、上下で1~1.5 mm、内外側では0.5~1 mmである。ここには586頁で述べた角膜辺縁係蹄網(Randschlingennetz der Hornhaut)と多数の棍状小体が存在する。

眼球結膜の上皮は眼瞼結膜の上皮と比べ、厚さも細胞層の数も大きいのが特徴である。その構造は角膜上皮に類似しており、徐々に薄くなって角膜上皮へと連続的に移行している。

有色人種では眼球結膜の上皮に色素が含まれている(Fischer)。(日本人では全例に眼球結膜の色素沈着が認められる。松岡秀夫、308頁脚注参照。)ヨーロッパ人についても、著者(Kopsch)は調査例の約3分の1に斑紋状の色素沈着を確認した。様々な人種の眼の色素沈着についてはHauschildが報告している(Z. Morph. u. Anthrop., 12. Bd., 1909)。