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腰仙骨神経叢は上部の腰神経叢Plexus lumbalisと下部の仙骨神経叢Plexus sacralisから構成される。さらに、仙骨神経叢は坐骨神経叢Plexus ischiadicusと陰部神経叢Plexus pudendalisに細分される。
腰仙骨神経叢、特にその下部である仙骨神経叢では、下肢の伸側と屈側に分布する神経が層状に配列している。この点で腕神経叢と類似しているが、腕神経叢の層について前述した注意点がここでも適用される。
つまり、この神経叢内で相対的に前方あるいは後方にある層が、形態学的意味での前方および後方の神経の区別と一致すると考えるべきではない。下肢の前方と後方の神経層は、主に脊髄神経の前方の枝(すなわち前枝Rami ventrales)に由来している。
Eislerによれば、後方の層には腓側大腿皮神経、上臀神経、下臀神経、梨状筋への神経、腓骨神経、内側下臀皮神経が属する。前方と後方の両層に由来するのは後大腿皮神経である。その他の神経はすべて前方の層に属している。腰仙骨神経叢の構成は個体差が大きい。この神経叢全体が椎骨1個分だけ下方に、まれに上方にずれることがある。下方へのずれでは、通常第25椎骨に付着する寛骨が第24椎骨に付き、上方へのずれでは寛骨が第24椎骨に付着する。