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片山正輝

目次(I.骨格系)

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基本構造と機能

解剖学的特徴

新生児の特徴

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RK224(**新生児の右側頭骨:**外側面)、225(**新生児の右側頭骨:**内側面)

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RK228(左の側頭骨:外方からみる)

鼓室部は外耳道Meatus acusticus externusの底部と側壁を形成する。また、その自由縁(外側縁)は側頭鱗とともに骨外耳孔Porus acusticus externus osseusを形成する。

上縁は巻き込まれた形状を呈し、外側では側頭鱗の一部が上方へ突出している。鼓室部との間には鼓室蓋稜Crista tegmentalisという骨性隆起があり、これにより錐体鼓室裂Fissura petrotympanicaと錐体鱗裂Fissura petrosquamalisの2つの裂隙が形成される(RK228(左の側頭骨:外方からみる))。錐体鼓室裂は特に重要で、鼓室へと通じ、鼓索神経Chorda tympaniの通路となるとともに、ツチ骨の長突起とその靱帯を収容している。

鼓室部骨板の下縁は鋭い稜線となって鼓室稜Crista tympanicaを形成し、その内側面は茎状突起の基部に接する。鼓室部と乳突部との境界には鼓室乳突裂Fissura tympanomastoideaがあり、その内部に乳突小管Canaliculus mastoideusの外口が開口する。

鼓室部の内面は凹面を呈し、深部には鼓膜が付着する鼓室溝Sulcus tympanicusが存在する。新生児期には外耳道は存在せず、鼓室部は鼓室輪Anulus tympanicusという弓状の骨構造を形成する。その前端は大鼓室棘Spina tympanica major、後端は小鼓室棘Spina tympanica minorとなり、それぞれが自由端として側頭鱗の下縁に接続する。両棘の間には側頭鱗の鼓室切痕Incisura tympanicaが存在する(RK224(**新生児の右側頭骨:**外側面)、225(**新生児の右側頭骨:**内側面))。