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目次(VI. 感覚器)

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基本構造

鋸状縁の特徴

特殊部位

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図618(右眼球の前半部を後方から見た図)

鋸状縁より後方には網膜の視部が続く。この柔らかい膜は生体では透明であるが、死後や固定処理により不透明となる。毛様体の後縁を肉眼で観察すると、網膜の視部が毛様体部へと移行する部位に細かいギザギザの縁が確認できる。これが鋸状縁 Ora serrataである(図618(右眼球の前半部を後方から見た図))。

鋸状縁は内側部が外側部よりも前方に突出しており、これにより毛様体輪は内側部より外側部でより広くなっている。

鋸状縁の鋸歯の数は、発生学的には毛様体の大突起の数(約70個)と一致するが、発達過程で著しく減少する。鋸状縁の形態は多様性に富んでおり、内側部では最もよく発達し確実に存在する一方、外側部では鋸歯がわずかしか見られないか、完全に欠如することさえある。このように、鋸状縁は鋸歯の数のみならず、網膜縁の全体的な形態においても顕著な変異を示す。

眼底部の網膜視部には、特殊な性質を持つ2つの部位が存在する。1つは視神経が網膜に侵入する視神経乳頭であり、もう1つは黄斑である。