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片山正輝

目次(I.骨格系)

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(RK249(**口蓋骨:**内方からの図)、250(**口蓋骨:**後方からの図)、251(**口蓋骨:**外方からの図)、252(**頬骨:**外方からの図)、253(**頬骨:**内方からの図)RK273(頭蓋(45歳男性)前面観)RK274(頭蓋45歳男性、側面図) )

頬骨は頬の最も突出した部分を形成し、側頭骨から上顎骨および前頭骨へ伸びる弓状部を閉じて完成させる。この骨性の弓は頬骨弓Arcus zygomaticus, Jochbogenと呼ばれ、主に強大な咬筋の起始部となっている。頬骨は不規則な四角形の扁平な骨で、その主要面である頬面Facies malarisは前外側方へ向いている。頬骨の眼窩面Facies orbitalisは弧を描いて凹んでおり、眼窩の周壁形成に寄与している。後面は側頭面Facies temporalisで、凹んでおり、側頭窩を前方で境している。

頬骨は鋸歯状の三角形で幅広い上顎突起Processus maxillarisによって上顎骨の頬骨突起と結合し、幅は狭いが頑丈な側頭突起Processus temporalisによって側頭骨の頬骨突起と結合し、上方の強固な前頭蝶形骨突起Processus frontosphenoideusによって前頭骨および蝶形骨大翼と結合している。

頬骨は頬骨管Canalis zygomaticusという1つの管で貫かれている。この管は眼窩において、上顎骨との縫合部またはその近傍で頬骨眼窩孔Foramen zygomaticoorbitaleに始まり、骨内部で2枝に分かれる。1つは頬骨面に開口し頬骨顔面孔Foramen zygomaticofacialeと呼ばれ、もう1つは側頭面に開口し頬骨側頭孔Foramen zygomaticotemporaleと呼ばれる。

頬骨管が単一でなく、その2枝が独立して眼窩に始まることもある。頬骨管およびその枝内には同名の神経、すなわち三叉神経第2枝の枝が走行している。前頭蝶形骨突起は縫合により、下方のより大きい部分から分離していることがある。注目すべきは、この突起が霊長類で初めて形成され、それより下等な動物には欠如しているという事実である。さらに、頬骨下縁の近くにこれと平行して横走する別の分離も現れることがある。頬骨の上顎骨との付着部は、上顎洞から連続して空洞化されることがある。この場合、上顎洞の頬骨陥凹Recessus zygomaticusが頬骨自体にまで達している状態といえる。

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[図249251] 左の口蓋骨(×1):図249は内方から、図250は後方から、図251は外方から撮影。

[図252253] 左の頬骨(×1):図252は外方から、図253は内方から撮影。