リンパ網とリンパ叢は、毛細リンパ管の領域や、大小様々なリンパ管幹の間に広がっている。特に毛細リンパ管の領域では、網と叢の形態がリンパ管の主要な姿といえるほどだ。毛細管リンパ網(Lymphkapillarnetze)と毛細血管を比較すると、前者は粘膜、漿膜、皮膚の表面からより離れた位置にあり、後者はこれらの表面により近く存在している。毛細リンパ管の網の交差点は、毛細血管が取り巻く組織の中心、またはその近くに位置する。一般的に、毛細リンパ管は毛細血管よりも大きな網目を形成している。毛細リンパ管網の形状は多様だが、対応する毛細血管と比べると、互いにより大きな類似性を示している。
毛細リンパ管網の一般的な特徴は、それがふくらみを呈していることだ。このふくらみは網の交差点で最も顕著に現れる。また、毛細リンパ管網は毛細血管網と比べて、以下の点で区別される:網目の形がより不規則であること、隣接する網目の広さがしばしば大きく異なること、互いに開口する細いリンパ管の口径に著しい差があること。これらの特徴に注目すれば、多少の練習を積むことで、形態上、毛細リンパ管と毛細血管を容易に区別できるようになる(RK704(ヒトの腸壁のリンパ管))。
[図704] ヒトの腸壁のリンパ管:集合リンパ小節の領域(Frey, Virchows Archiv, 1863より)