https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
基本構造と分布
味蕾の構造
神経支配
特殊な構造
[図601] ウサギの葉状乳頭の味蕾(縦断)
[図602] ヒトの有郭乳頭の味蕾(縦断)
[図603]ヒトの舌の味蕾の細胞を分離したもの ×400
1 被蓋細胞、2、3、4 味細胞。4はaの位置に小茎様の突起を有する。
[図604]味覚器の模型図(G. Retzius)g 味蕾、p 味孔、ian 味蕾内線維、irn 味蕾外線維、sz 脊髄神経節細胞、co 中枢器官
嗅覚器が呼吸器の入り口にあるように、味覚器は消化管の入口に位置している。味覚の主要な器官は舌粘膜だが、その全領域ではなく、舌背と舌外側縁の一部のみが関与している。まれに舌下面にも少数の味蕾が散在することがある。味覚に関して次に重要なのは軟口蓋の口腔面である。口腔粘膜で味覚神経が終わる部位では、上皮が花のつぼみのような配列を示す。このような味覚の終末器官を味蕾Caliculi gustatorii, Geschmacksknospenと呼ぶ。味蕾を持つ粘膜は、有郭乳頭・茸状乳頭・葉状乳頭のほか、軟口蓋の前面にも存在する。
味蕾に似た上皮構造物が喉頭前庭Vestibulum laryngisの粘膜にも見られるが、これが味覚器なのか、それとも下等脊椎動物の神経丘に相当する単純知覚器官なのかは未だ確定していない。
味蕾の微細構造を説明するには、有郭乳頭Papilla circumvallataから始めるのが適切だろう(図074(ヒトの舌の有郭乳頭を通る断面))。