この靱帯(RK392(後縦靱帯)、393(前縦靱帯)RK394(後縦靱帯)、395(前縦靱帯) )は椎体の前面に位置し、後頭骨の体と環椎の前結節から起始して第1仙椎まで伸びている。下方に行くほど幅を増し、より強大になる。最深部の線維は隣接する脊椎同士を結合するのみだが、表層部は4~5個の脊椎にまたがって伸びている。この靱帯は椎体と強固に結合しているが(Poirier、Fick)、椎間円板とはあまり密接に結合せず、その上を跨いでいる。

椎体の側面にも、これに相当する細い線維束が散在し、隣接する脊椎同士を結んでいる。前縦靱帯は仙骨の第2仙椎の前面で骨膜と結合して一旦終わるが、仙尾結合に至って再び前仙尾靱帯(Lig. sacrococcygicum ventrale)として現れる。ただし、前縦靱帯が仙骨の全長を走行することもある。