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その節前線維は第8頚分節から第2あるいは第3腰分節までの範囲で、側柱内およびその後方に続く灰白質の辺縁部にある細胞から発する。これらの線維は前根とともに脊髄から出て、白交通枝を通って交感神経幹に達する。交感神経幹内では、C. VIIIおよびTh. 1~VIからの線維は上方のみに、Th. VII~Xからの線維は上下両方向に、Th. XIからL. IIIまでの線維は下方のみに進む。これらは交感神経幹の神経節内か、あるいは腹腔神経節・上腸間膜動脈神経節・下腸間膜動脈神経節などの末梢神経節内で終わる。その節後線維は交感神経の諸枝を通って様々な内臓に達するか、または交通枝を経て脊髄神経に入り、さらにその終末領域に至る。
頚部交感神経(Halssympathicus)の節後線維は瞳孔散大筋に分布する。この線維は頚動脈神経叢、毛様体神経節の交感根、短毛様体神経を介してこの筋に達する。さらに、眼窩と上下両眼瞼の平滑筋、頭部と頚部の血管と汗腺、そして唾液腺と涙腺にも分布する。
下行結腸および骨盤内臓に達する節後線維は下腸間膜動脈神経節から発する。また、体幹と四肢の血管および皮膚(皮膚の腺と筋肉を含む)には、胸部と腹部の交感神経の節後線維が分布している。
胸部および腹部交感神経の節後線維は、胸腹部の多様な内臓に広く分布している。胸部内臓へ至る線維は星状神経節から、腹部内臓へ至るものは腹腔神経節と上腸間膜動脈神経節から発する。これらの節前線維は、大小内臓神経を経由する。
[図580] 交感神経(赤)と副交感神経(青)の模式図
(Meyer-Gottliebの『Pharmakologie』より引用。A. Hirtが最新の研究に基づき改訂)