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目次(IV. 内臓学)
子宮はさまざまな構造によってその位置が保持されているが、これらの固定装置の多くは柔軟性を持っている。そのため、正常な状態でも子宮の位置はある程度変化する。
この柔軟な固定は、病的な位置変化を引き起こす可能性がある一方で、妊娠時に子宮が著しく大きくなることを妨げない利点もある。子宮の主な固定装置は以下の通りである:
- 腟とのつながり:腟は子宮の下方への連続性が変形したものである。
- 骨盤筋膜(Fascia pelvis):部分的に腟や子宮へ移行している。
- 子宮鼡径索(図275(女性の骨盤内臓器)、図276(女性骨盤部の正中断面)):子宮の前面両側で、卵管付着部の下方から起こり、骨盤側壁を緩やかに前方に弓状に走って鼡径管に進む。長さは約10〜12cmで、男性の精管と同様に鼡径管内に入る。外陰部の前面では、その筋線維を含む束が広がり、恥丘と大陰唇の皮下組織と融合している。
- 腹膜
図275(女性の骨盤内臓器)
図276(女性骨盤部の正中断面)