一定の胎齢の人胎児の脊柱弯曲は、四足獣の脊柱の形と非常によく似ている。
この類似は、両者とも腹方へ弯曲する腰部脊柱と突出する岬角を持たないことに起因する。これにより、胸部・腹部および骨盤の内臓を包含する腹方に凹の大きな円蓋弓が形成される。一方、直立歩行する成人が持つ前方に凸の腰部脊柱は、体幹の重心を仙腸関節と股関節軸より後方に置こうとする適応の結果である。
[図391]脊柱の右方への側弯(r)と左方への側弯(l)の模式図。m は正中線、1、2、3、4 はそれぞれ脊柱の頚部・胸部・腰部・仙骨部の側弯を誇張して示す。(Hasse による)
[図392]後縦靱帯(1/3倍)
[図393]前縦靱帯(1/3倍)H. Virchowの標本による。
[図394]後縦靱帯(4/5倍)(椎弓根を鋸で切断)
[図395]前縦靱帯(4/5倍) H. Virchowの標本による