細胞の分化(Differenzierung)、すなわち分別(Sonderung)は、細胞分裂の重要な使命の一つです。細胞分化は、新個体の出発点である受精卵が連続的に分裂して多数の細胞となり、これらの細胞が受精卵から受け継いだ材料に基づいて起こります。この分化の目的は分業(Arbeitsteilung)であり、高等生物にとって不可欠です。
原生動植物は体が1個の細胞からなるため、この1個が全ての役割を担います。しかし、この場合でも一定の分業があり、核は細胞質とは異なる機能を持ちます。さらに、細胞質内部にも分化が見られ、筋原線維が形成されることもあります。生物の進化段階は、この分化の程度や形式の違いによって決まります。
分化の量と方向を理解するには、全ての種類の細胞とその産物を列挙する必要があるでしょう。しかし、より効率的な方法として、多様な細胞を簡単な組織(einfaches Gewebe)のグループに分類して説明するのが適切です。
組織とは、本質的に同じ種類に属する細胞およびその派生物の集合体です。
動物においては、以下の4つの組織が区別されます:
動物の器官(Organe)は、これら4つの組織のうち1つまたは2つ以上から構成されます。器官の形態学的および生理学的定義は次の通りです:
器官は1種または2種以上の組織から成り、特定の形態と機能を持つ構造体です。
例えば、1個の杯細胞は1つの組織に属する単一の細胞からなる器官であり、爪は単一の組織に属する多数の細胞が集まってできた器官です。一方、腺は複数の種類の組織から構成される器官です。
さらに、複数の器官が機能的により高度なつながりを持った単位を形成します。これを装置(Apparat)または系(System)と呼びます。例えば、視覚装置(Sehapparat)は眼、眼筋、神経、血管、およびその他多くの補助器官から成ります。
最終的に、動物の身体全体は多数の器官や装置から構成されています。
上述の関係から、生物体の要素として細胞を説明した後、組織を分類する方法には様々なアプローチがあります。形態学的、生理学的、発生学的という異なる観点があります。
これらの観点のいずれかを厳密に適用しても、組織の分類として全般的に適切なものとはなりません。そのため、最も広く用いられている分類法は上記で紹介したものであり、これは単一の原則によるものではなく、発生学、生理学、形態学の特性を総合的に考慮したものです。
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