https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
子宮は内腸骨動脈の枝である左右の子宮動脈によって栄養されている。この動脈は子宮傍結合組織内をうねりながら走行し、左右の動脈が互いに吻合している。また、左右ともそれぞれ卵巣動脈の一枝と連絡している。
静脈は非常によく発達しており、子宮内では概ね動脈の経路に沿って走行している。これらは子宮腟静脈叢(Plexus uterovaginalis)という子宮の内外にある密な静脈網を形成し、その後幹静脈へと移行する。これらの幹静脈は一部が近接する骨盤の静脈叢と連絡し、一部は直接内腸骨静脈と卵巣静脈に注いでいる。
リンパ管は豊富に存在する。粘膜固有層には大きな網目を持つよく発達したリンパ網があり、この網から小さな幹が出て、筋層のリンパ叢および漿膜下の豊富なリンパ叢へと進んでいる。妊娠時にはリンパ管は著しく拡張する。
神経は腸骨動脈神経叢、卵巣動脈神経叢、および第I~IV仙骨神経から由来し、神経細胞の集団を含んでいる。これらの神経は子宮腔神経叢を形成し、その中に子宮頚神経節(フランケンホイゼル神経節、Frankenhäusersches Ganglion)がある。この神経節は子宮傍結合組織内の後腟円蓋近くに位置し、太い血管に密接している。ここから出る神経線維束は子宮筋層内で終末神経叢を形成し、そこから出る最も細い線維がStöhrの言う神経終末細網を作っている。
上皮と腺には神経線維の自由終末がある。卵管でも神経が上皮内まで追跡できた。また、卵管では神経細胞が粘膜固有層に存在し、その一部は上皮のすぐ下に位置している。
子宮頚神経節(Ganglion cervicale uteri)はPenitschka(Anat. Anz., 66. Bd., 1929)によると、単一の塊ではなく、複数の大小の神経節とそれらを結ぶ連絡枝から構成されているという。その形態、配置、大きさは極めて多様である。また、この神経叢と連絡して、独立した球形のパラガングリオンが観察されることもしばしばある。個々の神経節は細胞に富み、その神経細胞の多くが多核である。さらに、クロム親和性細胞も豊富に含まれている。