https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
鼻腔は非常に豊富な血管供給を受けている。鼻腔の外側壁は、前方で前篩骨動脈の枝を、後方では後篩骨動脈の枝を受ける。また、中鼻甲介と上鼻甲介は後方から外側後鼻動脈を受ける。
内側壁(鼻中隔)は、上方から前篩骨動脈と後篩骨動脈を、後方からは中隔後鼻動脈を受けている。中隔後鼻動脈は切歯管を経て大口蓋動脈と吻合する。さらに、上唇動脈の枝が鼻前庭に達している。動脈の小枝は粘膜下の深部を走り、上皮直下まで毛細血管網を形成する。静脈は豊富で、特に下鼻甲介と鼻腔後部に多く、粘膜下組織が海綿体様構造を呈し、鼻甲介海綿叢Plexus cavernosi concharumと呼ばれる。
嗅粘膜のリンパ路は、硬膜下腔(Schwalbe)またはクモ膜下腔(KeyとRetzius)から色素を注入することで可視化できる。注入された色素は、神経周囲路と粘膜内の独立したリンパ管網を満たす。多数の液腔がこのリンパ管網と連絡している。
鼻に分布する神経には、特殊感覚神経である嗅糸Fila olfactoriaのほか、終神経(?)と三叉神経に由来する知覚神経、さらに翼口蓋神経節由来の交感神経がある。