https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
上膀胱動脈は脾動脈の閉鎖しない部分から来ている。下膀胱動脈は内腸骨動脈の下方の枝から来ている。女性では子宮動脈のいくつかの枝が膀胱に至る。静脈は膀胱の下部周囲で輪状によく発達した膀胱静脈叢を形成し、それから骨盤の諸静脈に流入している。
リンパ管は他の部位と比べて少ないが、膀胱底と膀胱三角において最もよく発達している。
粘膜のリンパ管は小さな幹に集合し、一部は単独で、一部は筋層のリンパ管と合流して骨盤側壁のリンパ節に至る。Gerotaは膀胱粘膜にリンパ管は存在しないと主張したが、Lendorfはその存在を確認している。筋層のリンパ管は前部と後部の2部に分かれる。これらのリンパ管は全て膀胱の外側壁に向かい、膀胱動脈に沿って存在するリンパ節に入る。また、リンパ節は膀胱前方の脂肪組織内にも存在する。
膀胱の神経は交感神経の腸骨動脈神経叢と脊髄神経の仙骨神経叢に由来する。神経は結合組織内で密な網を形成し、その中に神経節を含む。また筋層内部にはStöhrの終末網状体Terminalretikulumが形成されている。
膀胱の閉鎖は筋と静脈叢によって行われる。すなわち、筋によって狭められた尿道口を粘膜が相互に密着することで閉鎖する。筋の配列は膀胱が充満するほど出口をより強く閉鎖するように構成されている。膀胱の開口は膀胱垂が後方に牽引されることで生じる。これは膀胱垂後引筋M. retractor uvulae(Heiss 1928)という特殊な筋束によって引き起こされ、同時に膀胱底が下降することで膀胱前立腺靱帯が緊張し、膀胱出口が前方から強固に支持される。 Heiss, R., Schriften Königsberger Gelehrte Ges.1928.