1. 肘頭腱内包(Bursa intratendinea olecrani)

これは肘頭の近くで上腕三頭筋の腱の内部にある滑液包である。

2. 肘頭腱下包(Bursa subtendinea olecrani)

その存在は不定で、上腕三頭筋の腱と肘頭の上端との間にある。

3. 骨間肘包(Bursa cubiti interossea)

その存在は不定で、上腕二頭筋の腱と斜索(Chorda obliqua)との間にある。

腕の運動に際しての筋活動(R. Fickによる)

a) この課題の出発点として、垂直に下げた腕を基本姿勢とする。

  1. まっすぐ前方に上げるとき(Erhebung gerade nach vorn)は、三角筋と大胸筋の鎖骨部、および上腕二頭筋の両頭が、前鋸筋、僧帽筋(中部と下部)と協調して作用する。
  2. 単に側方に挙上すること(reine Seitenhebung)には、三角筋が棘上筋および棘下筋とともに上腕に作用し、上腕二頭筋の長頭も上腕に作用する。また同時に前鋸筋の下部ならびに僧帽筋の中部および下部が肩甲骨を回す運動がおこる。
  3. 垂直に上にあげるとき(Vertikalhebung)には、2. に述べた諸筋が僧帽筋の上部と肩甲挙筋との共同活動により、肩甲骨を回すことによっておこなわれる。
  4. 背方に挙上すること(Rückhebung)は、三角筋の後部および大円筋、広背筋がはたらき、かつ肩甲挙筋の共同作用のもとにおこなわれる。
  5. 内転するとき(Anziehung)には、大胸筋、広背筋、三角筋の後部、かつ大円筋が作用する。

b) 外旋運動(Auswärtskreiselung)は、棘下筋、棘上筋、小円筋、三角筋の後部によっておこなわれる。

c) 内旋運動(Einwärtskreiselung)は肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋の長頭によっておこなわれる。