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目次(III. 脈管系)

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RK619(心臓:横隔面)

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RK622(心底)

肺静脈は通常4本の短い幹からなり、左右各側に2本ずつある。これらは左右の肺門から出て、すぐに心膜の後壁に入る。2本の右肺静脈Vv. pulmonales dextraeはやや長く、右肺動脈の下を通り、上大静脈、右心房、および上行大動脈の後方を左心房に向かって走行する。右側にはまれに、さらに細い第3の静脈が存在することがある。2本の左肺静脈は比較的短い経路で胸大動脈の前方を通過し、左心房に至る。

肺門を出る際、肺静脈は前気管支静脈を受け入れる。この前気管支静脈Vv. bronchales ventralesは、一部は気管支リンパ節から、一部は心膜の後面から起源し、気管静脈および後縦隔静脈と吻合している。この静脈は各側に少なくとも2本ずつ存在する。

肺の内部では、気管支枝から出る小さな静脈小幹が肺静脈の分枝に流入し、これら2つの静脈間に吻合がある。この関係は気管支枝の分枝全長にわたって観察される。気管支樹のもつ主要な静脈Hauptvenenについては、右縦胸静脈の項を参照されたい。

比較的頻繁にみられる肺静脈の変異として、片側の肺静脈が心房に達する前に1本の幹に合流することがある。また、幹の数が増加することもあり、これは片側(多くは右側)のみ、または両側にそれぞれ3本の肺静脈が存在する場合がある。右肺静脈が右上大静脈、右縦胸静脈、冠状静脈洞に開口することがあり、また左肺静脈が左腕頭静脈、左上大静脈、冠状静脈洞に開口することも観察されている。

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[図633]心臓の血管:胸肋面(5/6倍)

本図では肺動脈とその弁を取り除き、冠状動脈の起始部を明示している。

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[図634] 37歳男性の頸動脈小体:全体像

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[図635]心臓の血管:横隔面(5/6倍)