平湯 晃、船戸 和弥、船戸 太郎
本計画書は、ライオンズクラブの一部メンバーおよび複数の南島原市議会議員の方々からいただいた助言・意見も踏まえ、現在も内容を見直し・修正している途中段階であることを前提として作成しています。
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本計画の位置づけ(上位計画の尊重):本計画は、南島原市の最上位計画である第Ⅱ期南島原市総合計画・後期基本計画(令和5〜9年度。「南島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」と一体化)を上位計画として尊重し、その将来像**「これからも 住み続けたい 住んでみたいまち みなみしまばら」・基本理念・4つの基本目標・3つの重点プロジェクトを、「再エネ×産業×観光×AI」の6本柱で実行段階へ発展させる実装パッケージ(成長エンジン)**です。総合計画に代わる独自構想ではなく、総合計画の数値目標を上位指標、本計画のKPIをその先行指標として従属させます(1.7参照)。
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国の重点投資分野との接続(フィジカルAI)(2026年7月26日 13:35 更新):本計画のAI活用は、経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)および第2期AI基本計画(「日本AX」)が重点投資先の筆頭に掲げるフィジカルAI(特にAIロボット)を、6本柱を動かす実装エンジンとして明確に組み込む。国は17の戦略分野・62の主要な製品・技術等について2040年までに総額370兆円超の官民投資ロードマップを示し、フィジカルAI分野で10.5兆円(中核を担う半導体と合わせ78.5兆円)の官民投資を引き出す計画を掲げ、経済産業省は2026年度からの5年間で1兆円規模の支援を予定している。「豊富な現場データ×ものづくり基盤×人手不足」という国の戦略仮説がそのまま当てはまる地域(農業・水路・港湾・観光・交通・医療介護)を、本計画はフィジカルAIの実装・検証フィールドとして提供する(実装内容は4.3、政策整合は1.7(7)参照)。
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目次
1. 事業概要(エグゼクティブ・サマリー)
1.1 目的
島原半島において交通利便性の課題を抱える南島原市を中心に据え、島原市・雲仙市と役割分担(相補)しながら、再生可能エネルギー、産業、観光、教育・人材を「一本の価値の線」として統合する。東京一極集中に依存しない地域創生(地方分散型成長)を軸に、島原半島世界ジオパークおよび雲仙天草国立公園に代表される自然・景観・地質資源を保全しつつ、半島全体の相補的発展を実現する成長モデルを構築する。諫早市等の周辺地域は、広域の玄関口(交通・物流・電源連携)として本モデルに接続する(1.3参照)。
あわせて本計画は、南島原市行政の最上位計画である第Ⅱ期南島原市総合計画(基本構想:平成30年度〜令和9年度/後期基本計画:令和5年度〜令和9年度。「南島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」と一体化)を上位計画として尊重し、同計画が掲げる将来像**「これからも 住み続けたい 住んでみたいまち みなみしまばら」**と基本理念「一人ひとりの“しあわせ”のためにみんなで進めるまちづくり」、4つの基本目標および3つの重点プロジェクトの既定方針を、**実行段階へ発展させる実装パッケージ(成長エンジン)**として位置づける。本計画は総合計画に代わる独自構想ではなく、総合計画の数値目標を上位指標、本計画のKPIをその先行指標として従属させ、毎年度の成果管理方式(達成状況の判定・公表)に接続する。総合計画・都市計画マスタープランとの対応関係は1.7に整理する。
さらに、南島原市が持つ日照条件をはじめとする太陽光発電の適地性(2.2参照)を地域の競争優位として明確に位置づけ、これらの取り組みを制度面から加速する仕組みとして、**特別行政区(特区:国家戦略特区・構造改革特区・総合特区等)**の指定可能性を追求する(1.6参照)。
1.2 事業コンセプト(産業変革に適応する「運用中心」モデル)
本計画は、特定技術・特定メーカー・特定補助金に依存しない。将来の産業変革(エネルギー、モビリティ、AI、観光、教育、規制)に対して、設備を先に固定するのではなく、運用・契約・データ・KPIを先に標準化し、状況に応じて「差し替え」可能な形で段階的に実装する。
- 地域分散型の発電資源(地熱・水力・太陽光)を束ね、地域内での電力需給の最適化(地産地消)を進める。水力には、既存の水力発電所(千々石)に加え、**農業用小水路(農業用水路・ため池放流部・落差工等)を活用した小型水力発電(マイクロ水力・ピコ水力)**の段階導入を含める(3.3参照)
- 潮流発電(口之津・早崎瀬戸)は、イルカウォッチング等と一体の「複合観光資源」として再定義する:電源としての発電能力(kWh)は本計画の評価軸とせず、早崎瀬戸が既に持つ集客力――年間を通じて約300頭の野生イルカ(ハンドウイルカ)が生息する口之津イルカウォッチング(遭遇率は9割超とされる)、大潮時のうず潮、半島最南端の海峡景観――に潮流発電サイトを重ね、**「イルカを育む潮流が、電気も生む海峡」**という一つのストーリーで束ねた唯一無二のデスティネーションとして、観光・教育プログラム(柱2)の中核に据える
- 海上体験の一体化:イルカウォッチング航路に潮流発電サイトの海上見学を組み込み、**「イルカ×うず潮×発電する風景」**を1本のクルーズ商品・学習プログラムとして造成する
- 陸上拠点の共用:イルカウォッチング発着所を併設する口之津港ターミナルを、潮流発電の学習・展示・予約のハブとして活用し、追加投資を抑える(1.5の段階投資と整合)
- 評価軸:事業評価は発電量ではなく、来訪者数・滞在時間・消費額・リピート率等の観光KPIで行う
- 余剰電力のエネルギーキャリア化(水素等):再エネ由来の余剰電力を、水素製造(電解)などの形で化学エネルギーへ変換し、貯蔵・輸送可能なキャリアとして活用する選択肢を将来オプションとして保持する。ただし現時点では、電解装置の設備コスト(CAPEX)、変換・貯蔵・輸送の各段階で生じるエネルギーロス、既存燃料・系統電力との単価差など、コスト面の課題が大きいことを明確な前提とする。したがって先行投資は行わず、**電解効率の向上・装置価格の低減・貯蔵/輸送技術の成熟といった技術の進歩(および安全規制・市場環境の整備)を導入の前提条件(Go判断の条件)**として明示し、技術・コスト動向のモニタリング→小規模実証→需要・安全・コストの検証→段階拡張の順で進める(拡張フェーズのオプション。1.5参照)
- 発電設備・実証フィールドを「見学・学習・体験」に転換し、『発電する風景』を観光・教育資源として実装する(半島最南端・早崎瀬戸の「潮流発電×イルカウォッチング」は、発電規模ではなく体験価値で選ばれる旗艦(フラッグシップ)コンテンツとする)
- 観光・教育プログラムは、南島原市内の観光組織(例:ひまわり観光協会等)に加え、島原市・雲仙市側の観光協会/旅館・ホテル/観光施設/体験事業者/交通事業者等の参画を前提に、広域で商品造成・販売・受入体制を組む(新設組織は「予約・データ・分析・広域調整」の補完機能に徹する)
- 交通制約の解消手段として、レベル4自動運転(特定自動運行)モビリティを地域MaaSの中核に位置づける。レベル4は改正道路交通法(2023年施行)で制度化され全国で運行が始まっている実装段階の技術であるため、本計画では技術開発ではなく、先行地域で確立された型(定時定路線+遠隔監視)の導入・運用として設計し、予約・配車・運行・遠隔監視データを需給計画や観光キャパ管理と統合する(**最優先の用途は、南島原市で公共サービスとして本格運行中のデマンド型乗合タクシー「チョイソコみなみしまばら」の運行ルート(運航路)とステーション網(チョイソコステーション)を、自動運転車が走行可能な路線(ODD適合路線)へ段階的に発展させる形で、自宅近くのステーションと商業施設・病院・役所・乗継拠点を結ぶ地域住民サービス(生活線)**とし、島原半島全域の観光拠点の周遊・ラストマイルは稼働率と収益を補強する第二の用途として重ねる。チョイソコの予約・乗降実績を活用した路線・需要調査と合意形成は初期フェーズから先行着手し、車両等への投資は拡張フェーズでKPI連動判断。3.4参照)
- 省人化とサービス品質の両立手段として、**フィジカルAI(AIロボット・自動運転・遠隔支援等、物理世界で動作するAI)**の活用を、現場のオペレーションを補完する形で段階導入する(2026年7月26日 13:35 更新)
- 本計画は情報処理にとどまる「画面の中のAI」ではなく、**現場の作業・移動・点検・接客を担うAI(フィジカルAI)**を主戦場に置く。これは骨太の方針2026および第2期AI基本計画(日本AX)が重点投資先の筆頭に掲げる領域と一致し、国の官民投資・支援制度を呼び込む接点となる(4.3参照)
- ただし「運用中心」モデルの原則は変えない:特定メーカーのロボットや特定モデルに依存せず、作業手順・安全基準・データ項目・KPIを先に標準化し、機体・モデルは差し替え可能な部品として扱う。国が構築を進める国産マルチモーダル基盤が整った際に、地域側の運用資産(現場データ・手順・KPI)をそのまま接続できる状態を目標とする
- 充電/補給インフラは、再エネ×蓄電×需給調整(DR)とセットで整備し、「台数増」ではなく**KPI(待ち時間、ピーク電力、稼働率、故障率、定時性、収益性)**で段階投資判断する