外皮 Integumentum commune

J0637 (上唇の断面図)

J0788 (陰茎、球海綿体筋および筋膜と皮膚の一部を除去:下方からの図)

J0790 (陰茎の断面図:陰茎体の断面)
外皮は皮膚と毛髪、爪、汗腺、脂腺、乳腺などの付属器からなる体表の器官系で、表皮・真皮・皮下組織の三層構造を持ち、バリア機能と免疫、感覚、温度調節を担う。表皮は角化層が中心で血管がなく、真皮は血管叢と結合繊維で強度と伸展性を提供し、皮下組織は脂肪と結合組織でクッションとエネルギー貯蔵を行う。付属器は毛包・脂腺ユニット、エクリン・アポクリン汗腺、爪、乳腺などで、各々が皮膚の機能や疾患に関与する。臨床では層構造や付属器の解剖を基に診察、画像診断、手技が行われ、東洋医学では皮毛や衛気の概念と結びつき、外治や刺絡などの治療法が提案される。
体系的まとめ(解剖・生理)
外皮(integumentum commune)は、**皮膚(cutis)**とその付属器(皮膚付属器:**毛(pili)・爪(ungues)・汗腺(glandulae sudoriferae)・脂腺(glandulae sebaceae)・乳腺(glandula mammaria)など)からなる「体表の器官系」である(Standring, 2021)。皮膚は表皮(epidermis)・真皮(dermis)・皮下組織(tela subcutanea / hypodermis)**の層構造として理解すると、解剖・病態・手技の説明が整理しやすい(Moore et al., 2023)。
1) 層構造(浅層→深層)
表皮(epidermis)
- 角化重層扁平上皮で、血管を欠き、栄養は真皮乳頭層の毛細血管床からの拡散に依存する(Standring, 2021)。
- 代表的な層(深層→浅層):基底層→有棘層→顆粒層→(厚い皮膚で)透明層→角質層(Standring, 2021)。
- 細胞要素:ケラチノサイトが主体で、メラノサイト(色素)、ランゲルハンス細胞(抗原提示)、メルケル細胞(触覚)などが加わり、バリアと免疫の双方に関与する(Standring, 2021)。
真皮(dermis)
- **乳頭層(stratum papillare)と網状層(stratum reticulare)**に大別され、膠原線維・弾性線維の配列が皮膚の強度と伸展性を規定する(Standring, 2021)。
- 皮膚の血管は一般に浅層・深層に血管叢を形成し、温度調節(血流増減)と創傷治癒の基盤になる(Standring, 2021)。
- 皮膚割線(Langer’s lines)は真皮線維の配向を反映し、切開線の設定や瘢痕の目立ちやすさに関わる(Moore et al., 2023)。
皮下組織(tela subcutanea)
- 疎性結合組織と脂肪からなり、皮膚を深部筋膜に可動性をもって連結する。注射・皮下埋め込み・皮弁挙上などで層の目安となる(Moore et al., 2023)。
- 部位差が大きく、体温保持・緩衝・エネルギー貯蔵の機能的基盤でもある(Standring, 2021)。
2) 皮膚付属器(appendages)
- 毛包・脂腺ユニット(pilosebaceous unit):毛包に脂腺が開口し、アンドロゲン応答性や微生物叢と絡んで痤瘡などの病態と結びつく(Jameson et al., 2018)。
- エクリン汗腺(eccrine):体温調節(発汗)に重要で、掌蹠などに高密度。**アポクリン汗腺(apocrine)**は腋窩・外陰部などで、におい・炎症性疾患(例:化膿性汗腺炎)とも関連する(Standring, 2021)。